月経移動について

生理の周期(生理が始まった日から次の生理までの期間)は個人差がありますが、25日から40日程度です。月経移動は、旅行や海水浴、結婚式、部活動の試合、受験などの生理が重なると困るイベントがある場合に、ホルモン剤を服用することで、「生理の日をずらす方法」です。生理を早めたり遅らせるためには、中用量ピルを用いることが多いです。
中用量ピルが飲めない方
- 妊娠中や妊娠の可能性のある方
- 授乳中の方
- 肥満の方(BMIが30以上の方)
- 高血圧の方
- 喫煙者の方(35歳以上で1日に15本以上の喫煙)
- 乳がんの方(乳がん手術から5年以内の方も含む)
中用量ピルの服用方法
中用量ピルは、吐き気や嘔吐などの副作用を避けるために、就寝前に毎日1錠を服用します。
できるだけ同じ時間に服用してください。
生理を遅らせるケース
予定月経初日の5〜7日前から、月経を延長したい日(たとえば旅行の最終日)またはその前日まで中用量ピルを内服します。そうしますと、旅行から戻った2〜4日後に出血が始まります。
この方法では、排卵日以降にピルを内服するので、妊娠の可能性が無いことが条件になります。
また、ずらしたい生理予定がはっきりとわからない場合は、中用量ピルの服用のタイミングが決められないので、月経移動がうまくできない可能性が高くなってしまいます。
メリット
正しく服用すればほぼ確実に月経が遅れる。
デメリット
中用量ピル内服による副作用がでることがあるので、旅行日や試験日がつらくなる可能性があります。
生理を早めるケース
月経初日から数えて5日目以内よりピルを内服します。
これにより予定月経を7~10日前後早める事が出来ます。
※この方法を希望の方は、なるべく早く受診してください。(月経を移動させたい月の前の月の生理開始3日までに受診)
メリット
月経を避けたい期間(旅行中や試験日)に、薬を飲まなくてよい。
デメリット
薬の内服期間中に少量の出血が持続する可能性がある。
早めに受診することが必要
※すでに低用量ピル(OC)を内服している方の月経移動は、低用量ピルの種類や月経を移動したい時期により対応が異なります。月経をずらしたい前の月のシートを内服しているときにご相談ください。
中用量ピルの副作用

中用量ピルは、ホルモンの含有量が多いため、人によっては、倦怠感や眠気、頭痛、吐き気、嘔吐などの副作用が現れます。また、中用量ピルの服用によって排卵後の状態と同じになることで、体温が高く感じたり、胸が張ったり、少し浮腫むことがあります。これらは副作用によるものではないため、心配する必要はありません。
中用量ピルの方が効果は高く、ほぼ確実に月経移動ができますが、血栓症(血管の中に血液の塊ができてしまい 血液の流れが悪くなったり血液の流れが止まってしまう)のリスクの高い方、プラノバールで吐き気が強かった方などには、黄体ホルモン製剤による月経移動も行っています。
注意点
- 月経移動で服用する一時的な中用量ピルの服用では避妊はできません。
- 服用を忘れてしまった場合は、気が付いた時点で、忘れた分も含めて追加で服用し、その後も通常通り、服用を継続してください。3日以上服用を忘れた場合には、月経が来てしまう可能性が高くなります。
- 服用中に、不正性器出血を認めても、服用を継続してください。多くの場合で、出血は止まりますが、出血が止まらない場合でも、服用の継続によって少量の出血の状態を維持することができる可能性があります。
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授乳中は乳汁分泌減少と乳児の成長に影響を及ぼす可能性があるため産褥6か月までは月経移動はしません。
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予定手術のために月経を移動する場合は、血栓症の危険性が高くなるため術前4週間以内の月経移動はせずに、1か月前の月経を調整します。
中用量ピルの料金(税込)
月経調整(中用量ピル) ※診察代、お薬代含む |
4,600円 |
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月経調整(黄体ホルモン) ※診察代、お薬代含む |
5,000円 |
月経調整(当院で自費OC処方中の方のみ) ※診察代、お薬代含む |
2,500円 |
16錠目から1錠 | 110円 |
※医師の問診のみでご本人がお薬を希望されない場合は診察料3,300円(税込)かかります。
※15日以上の服用が必要な場合は、1錠110円(税込)で追加料金がかかります。
その他の処方
制吐剤1錠 | 110円 |
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